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水の都ベネチアを襲う高潮



長靴に喩えられるイタリア半島の北東付け根辺りにある都市、ベネチア。ベネチアは、長靴の東側にあるアドリア海の終着点であり、「水の都」と呼ばれる風光明媚な観光地として知られています。

ベネチアは、慢性的な高潮に悩まされる土地でもあります。

「アックア・アルタ」と呼ばれる高潮

「アックア・アルタ」と呼ばれる高潮

ベネチアには冬季から春先にかけて、アックア・アルタが発生します。「アックア・アルタ」とは、直訳すれば「高い水」ですが、これはつまり高潮のことです。ベネチアの目の前にあるアドリア海には、冬季に「シロッコ」と呼ばれる季節風が南から北へ吹き、吹き寄せ効果で海水をベネチア方向に集めます。

アドリア海にある周辺都市では、地下水の汲み上げを主な原因とした地盤沈下があり(現在は汲み上げが禁止されています)、また地球温暖化の影響か海面そのものが上昇しているため、アックア・アルタの被害を少しずつ大きくしています。

水に沈む「水の都」

水に沈む「水の都」

ベネチアは、古い建物とボートが行き交う観光都市として知られていますが、冬季から春先にかけてはアックア・アルタが発生して一時的に海水が都市に流入し、ベネチアを水没させています。度重なる浸水は、建物にも大きな被害を与え、ベネチアに住む人々の負担になっていると言われています。

アックア・アルタが発生している際には、サン・マルコ広場などは水没してしまいます。市では「ギャングウェイ」と呼ばれる高架の足場を設置し、住人や観光客の助けになるよう努めています。

徐々に高くなっていく水位

徐々に高くなっていく水位

記録上、「アックア・アルタ」と呼ばれる高潮は、589年や782年にはすでに発生していたとされています。それから近代まで数度かのアックア・アルタが記録されていますが、近年ではその水位上昇が大きくなり、ベネチアを窮地に陥れています。これまで正確な記録が残っている1923年以降では、1966年(昭和41年)に最高位となる高潮194cmを記録した他、近年では2009年(平成21年)に140cm以上の上昇が3回観測されるなど、その頻度は年々高くなっています。

アックア・アルタの原因

アックア・アルタの原因

高潮であるアックア・アルタの原因のひとつは、アドリア海を北上してくる強い季節風シロッコの影響です。また、これに合わせて天文潮により満潮が重なった時間帯に発生します。年々アックア・アルタが発生している原因としては、地盤沈下や地球温暖化による水位全体の上昇などが挙げられています。徐々に変化する地球環境に翻弄されるように、ベネチアは徐々に高潮の恐怖が強くなっているのです。

また、現段階で発生しているアックア・アルタは、言わば定期的に発生している自然現象です。ここにもし異常気象などで強い暴風雨が発生した場合には、想定以上の災害になってしまう可能性も否定できません。

進められている対策、モーゼ・プロジェクト

進められている対策、モーゼ・プロジェクト

イタリア及びベネチアでは、アックア・アルタの対策として「モーゼ・プロジェクト」を進めています。アドリア海のベネチア手前に巨大な堤防を設置するもので、普段は海底に隠しておきながら、アックア・アルタが発生することが見込まれた際には堤防を展開し、海水を防ごうというものです。このモーゼ・プロジェクトは、2016年に完成する見込みがされており、完成すれば3mまでの水位上昇を防げるとされています。