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サイクロン・ナルギス(2008年)



自然災害は、ときに想定外の発生や動きを持って人々の生活を脅かします。高潮も例外ではありません。ここでは、南アジアの国ミャンマーを中心に襲ったサイクロン、ナルギスについてご紹介します。

想定外の進路を取ったナルギス

想定外の進路を取ったナルギス

ベンガル湾には、サイクロンが発生します。「サイクロン」とは、インド洋周辺や太平洋南部で発生する熱帯低気圧に付けられる名称で、台風やハリケーンなどと同種のものです。

2008年(平成20年)に発生したサイクロンは「ナルギス」と名付けられました。この地域で発生したサイクロンは、北上または北西へ進むことがほとんどですが、ナルギスは東に進み、サイクロン被害に慣れていないミャンマーを襲いました。

災害の経緯

災害の経緯

2008年(平成20年)4月27日にベンガル湾中央にあった熱帯低気圧は勢力を強め、サイクロン・ナルギスとして認識されました。観測された最低気圧は962ヘクトパスカル、最大風速は60m/s前後と、サイクロンとしては比較的強い勢力です。

サイクロンは発生したあと、ベンガル湾最深部のバングラデシュや、インド半島の東岸やカルカッタなどに上陸することがほとんどでしたが、ナルギスは、一旦北西方向に進路を取ったあと、急遽サイクロンとしては珍しく真東に進路を変え、5月2日にミャンマー南西部へ上陸しました。

被害の規模

被害の規模

ナルギスは、ミャンマーを中心にスリランカ、インド、バングラデシュに被害を与えました。死者・行方不明者の数は諸説ありますが、国連人道問題調整事務所の発表によれば、最終的な死者・行方不明者の合計は32万人に達するとしています。また家屋の全壊や流出、インフラ設備の壊滅など、直接的な人命被害にも大きな傷跡を残す結果となりました。

被害が大きくなった原因

被害が大きくなった原因

ミャンマーがサイクロン被害になれていなかった点が、極めて大きな被害を生み出した原因のひとつとして挙げられます。ナルギス以前にミャンマーをサイクロンが襲った例は1968年まで遡ります。40年ぶりとなったサイクロンの襲来がナルギスだったのです。そのためミャンマー政府は十分な避難警告を行なうことができず、また住民もナルギスの危険性を認識しないまま、大惨事に繋がってしまいました。

さらに環境の変化もありました。かつてミャンマーにはたくさんのマングローブが自生し、高潮や暴風の被害から人々を守ってきましたが、ナルギスがミャンマーを襲った頃にはマングローブ樹林が激減し、高波が町を直撃してしまったのです。ミャンマーで発生した高波は、高さ3.6m程だったとされています。

総括と対策

総括と対策

想定を外れた動きを見せたサイクロン・ナルギス。数十年サイクロンの被害が無かったとは言え、十分な防災対策を怠ったのはミャンマー政府の過失と言わざるをえません。

また、マングローブ樹林が減少していたことにより想定以上の被害が発生したことも悩ましい問題だと言えます。マングローブ樹林が減少した原因は、人口の増加による住居の建築や、エビの養殖、開発などに伴う伐採などです。つまり、人々が豊かになろうと目指した結果、マングローブ樹林は減少し、高潮災害の被害規模を大きくしてしまったことになります。住環境とそれに合わせたサイクロン対策、高潮対策が求められています。