ご希望の消防署情報を無料で検索できます。ホームメイト・リサーチTOP

消防署

消防署情報

消防設備の点検/ホームメイト

マンションやビルなど不特定多数の人が出入りする建物には、消防設備を設置することが、消防法で義務付けられています。消防設備を置くことで、火災事故を未然に防ぐだけではなく、消防上の活動に重要な役割を果たすことができるからです。しかし、ただ、消防設備を設置しているだけでは、万が一、故障や破損があっても気が付かない場合があります。せっかく設備が整っていても、いざというときに役に立たなければ意味がありません。そのため、消防設備は、消防設備士や消防設備点検資格者といった有資格者により、定期的に点検・報告を行う必要があります。

ここでは、マンションやビルなどに設置してある消防設備の点検や報告について詳しく解説。また、点検をする有資格者や資格の取得方法についても紹介しましょう。

消防法に基づく消防設備の点検・報告

消防設備
消防設備

マンションやビル、病院、ホテルなどの建物には様々な設備がありますが、そのなかでも消火器や火災報知器、消火栓、誘導灯、避難はしごなど、火災事故を未然に防いだり、消火活動に必要になったりする設備のことを「消防設備」と呼びます。
消防法の定めるところにより、不特定多数の人が出入りするビルやマンションなどには、これらの消防設備の設置が必要。しかし、たとえ設置していても、万が一のときに故障や不具合などで機能しなければ意味がありません。

火災が発生した場合に消防設備を正しく使用できるよう、建物の所有者や関係者に対して設置した消防設備を定期的に点検し、その結果を消防長または消防署長に報告する義務が消防法17条で定められているのです。もし、点検や報告を怠った場合、消防法第44条に則り、立入検査などの指導が行われます。

消防設備の点検は、6ヵ月ごとに点検する「機器点検」と1年ごとに点検する「総合点検」の2種類。いずれも確認の基準は、消防庁の告示に細かく決められています。

機器点検

機器点検では、消防に必要な設備が適切な場所に配意されているかどうか、有効期限が切れていないか、また損傷していないかなど主に外観から判断。機器の機能については簡単な操作によって確認します。消防設備の設置があるマンションやビルでは、機器点検を年に2回実施。点検日については事前に知らせが届きます。なお、機器点検では基本的に廊下や屋上、屋外などの共有部分のみを確認するため、各室内への立ち入りは行われません。

総合点検

総合点検では、消防用の設備がすべて作動するかどうかも含め、総合的な確認が行われます。そのため、室内にも立ち入る必要があり、住人には事前に点検日時を周知。点検にかかる時間は1部屋あたり5~10分程度です。なお、マンションの場合、点検日に都合がつかず、在宅ができないときでも、契約時に「消防などの点検時に不在とする場合、事前告知のもと入室」に同意をしていれば、管理会社の立会いで点検業者が入ることがあります。

消防設備の点検における住人の参加はあくまで「努力義務」。立会いができないからといって、罰則を受けることはありません。しかし正当な理由もなく、点検の立ち入りを拒否し続けてしまうと、マンションの規約違反になることも。また、消防設備の点検を拒んだために、消防設備の不備が放置され、それが原因で火災被害が出てしまった場合、重過失に問われる可能性があります。

消防設備点検で点検するのは、大きく分けて次の5種類です。

≪主な消防設備点検の種類≫
消火設備 消化器、スプリンクラー、野外消火栓など
警報設備 自動火災報知設備、非常ベル、火災警報設備など
避難設備 救助袋、避難はしご、誘導灯など
消防用水 防水水槽など
消火活動に必要な設備 非常コンセント設備、排水設備、連結散水設備など

その他、細かい点検の基準や点検内容については、消防庁のホームページ「消防用設備等の点検基準、点検要領及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検表の様式」で確認することができます。

消防設備の点検は定期的に行い、その結果は消防機関へ報告しなくてはなりません。

消防機関へ報告

マンションやビル、ショッピングビル、ホテル、病院、飲食店など不特定多数の人が出入りする建物は「特定防火対象物」に分類され、1年に1度、管轄地域の消防署へ報告書を提出します。また工場、事務所、倉庫、共同住宅、学校など決められた人が利用する用途の建物は「非特定防火対象物」に分類され、このなかで消防長または消防署長が指定した建物については、3年に1度の報告が必要です。なお、点検結果に異常や不良箇所があった場合には、すみやかに改修を行わなくてはなりません。

消防設備の点検ができるのは有資格者のみ

消防整備の点検
消防整備の点検

消防設備などの点検・報告を義務付けられているのは、建物の所有者や管理者(ビルの管理会社なども含めて)、テナントなどの占有者です。

しかし、延べ面積1,000㎡以上の建物、地階または3階以上の階に特定用途(物品販売店舗、ホテル、病院、飲食店など不特定多数の人が出入りする施設)があり、かつ階段が屋内に1ヵ所しかない場合、その消防設備などの点検は有資格者にしか認められていません。

消防設備の点検ができる有資格者とは「消防設備士」または「消防設備点検資格者」のことです。いずれかの資格を持つ者が所属している点検業者に対し、マンションの所有者や管理組合、管理会社が点検を依頼。ただし、延べ面積1,000㎡未満のマンションなどの場合は、資格のない所有者や管理担当者が点検することも認められています。

消防設備士は国家資格。資格取得のための試験は、総務大臣指定試験機関である一般財団法人消防試験研究センターが都道府県知事の委託を受けて実施します。合格すれば免状を受け取って消防設備士となり、消防設備の設置工事や点検整備を行うことが可能です。

一方、消防設備点検資格者とは、消防庁長官登録講習機関である財団法人日本消防設備安全センターが行う講習を受けて、資格を取得した人のこと。3日間の講習終了後、2時間の修了考査を受けて合格すると資格取得となりますが、取得後も5年以内ごとに再講習を受けなければなりません。

まとめ

マンションや雑居ビルなど人の出入りが激しい場所には、消防法により消防設備を設置することが義務付けられています。そして、設置するだけではなく、有資格者による消防設備の点検や報告が必要です。なお、マンションの消防設備点検では、点検のために有資格者が居室に立ち入ります。消防設備の点検を断っても罰則やペナルティはありません。

しかし、万が一、火災発生時に消防設備が正常に動作しなかった場合には、責任を問われる場合がありますので、必ず消防設備の点検は受けるようにしましょう。

ページ
トップへ
ページトップへ戻る