消防署情報
火災の知識/ホームメイト
火災の知識を分かりやすくご紹介致します。
防火対策

住宅火災を防ぐために、常日頃から「3つの習慣と4つの対策」に取り組むことを心掛けましょう。
3つの習慣
① 寝たばこは、絶対やめる。
② ストーブは、燃えやすい物から離れた位置で使用する。
③ ガスコンロなどのそばを離れるときは、必ず火を消す。
4つの対策
① 逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を設置する。
② 寝具、衣類及びカーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使用する。
③ 火災を小さいうちに消すために、住宅用消火器などを設置する。
④ 高齢者や身体の不自由な人を守るために、近隣の協力体制をつくる。
火災の発生件数と犠牲者

1年間の火災の発生件数は毎年5万件を超えています。これは1日あたり140件、約10分に1件の火災が発生している計算になります。
また、毎年2,000人近くの尊い命が火災の犠牲となっています。
過去5年間の火災の発生件数

出展:総務省消防庁発表データ
※1 平成22年のデータは概数値を、それ以外の各年のデータは確定値を使用。
※2 第1期(1月~3月)、第2期(4月~6月)、第3期(7月~9月)、第4期(10月~12月)
平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総件数 | 53,276件 | 総件数 | 54,582件 | 総件数 | 52,394件 | 総件数 | 51,139件 | 総件数 | 46,574件 |
第1期 | 16,612件 | 第1期 | 16,798件 | 第1期 | 15,984件 | 第1期 | 14,166件 | 第1期 | 12,873件 |
第2期 | 12,767件 | 第2期 | 13,927件 | 第2期 | 12,994件 | 第2期 | 14,471件 | 第2期 | 11,719件 |
第3期 | 11,285件 | 第3期 | 11,336件 | 第3期 | 11,614件 | 第3期 | 11,110件 | 第3期 | 11,181件 |
第4期 | 12,612件 | 第4期 | 12,521件 | 第4期 | 11,802件 | 第4期 | 11,392件 | 第4期 | 10,801件 |
過去5年間の犠牲者の推移

出展:総務省消防庁発表データ
※1 平成22年のデータは概数値を、それ以外の各年のデータは確定値を使用。
※2 第1期(1月~3月)、第2期(4月~6月)、第3期(7月~9月)、第4期(10月~12月)
平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 2,067人 | 総数 | 2,005人 | 総数 | 1,969人 | 総数 | 1,877人 | 総数 | 1,734人 |
第1期 | 823人 | 第1期 | 739人 | 第1期 | 800人 | 第1期 | 706人 | 第1期 | 660人 |
第2期 | 419人 | 第2期 | 453人 | 第2期 | 432人 | 第2期 | 405人 | 第2期 | 388人 |
第3期 | 320人 | 第3期 | 271人 | 第3期 | 288人 | 第3期 | 293人 | 第3期 | 250人 |
第4期 | 505人 | 第4期 | 542人 | 第4期 | 449人 | 第4期 | 473人 | 第4期 | 436人 |
犠牲者の年齢別割合
犠牲者の約6割が65歳以上の高齢者となっています。
住宅火災死者(放火自殺者などを除く)における年齢区分別割合の推移
出展:総務省消防庁発表データ
平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | |||||
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5歳以下 | 2.9% | 5歳以下 | 2.9% | 5歳以下 | 1.2% | 5歳以下 | 2.2% | 5歳以下 | 1.7% |
6~64歳 | 39.0% | 6~64歳 | 37.5% | 6~64歳 | 35.5% | 6~64歳 | 36.5% | 6~64歳 | 34.8% |
65歳以上 | 58.0% | 65歳以上 | 59.6% | 65歳以上 | 63.2% | 65歳以上 | 61.4% | 65歳以上 | 63.1% |
※1 平成22年のデータは概数値を、それ以外の各年のデータは確定値を使用。 ※2 住宅火災死者は、死者の発生した建物用途による。
過去の大規模火災

過去には、多くの犠牲者を出した悲惨な大規模火災が発生しました。1950年以降では次のような大規模火災が発生しています。
今後、二度とこのような悲惨な災害が発生しないようにしなければいけません。
戦後に発生した大規模火災(犠牲者10名以上)
【1955年2月17日】
聖母の園養老院火災(神奈川県横浜市)/ 99名
【1969年2月5日】
磐光ホテル火災(福島県郡山市)/ 31名
【1972年5月13日】
千日デパート火災(大阪市南区)/ 118名
【1973年11月29日】
大洋デパート火災(熊本県熊本市)/ 104名
【1980年11月20日】
川治プリンスホテル火災(栃木県藤原町)/ 45名
【1982年2月8日】
ホテルニュージャパン火災(東京都千代田区)/ 33名
【1986年2月11日】
熱川温泉ホテル大東館火災(静岡県東伊豆町)/ 24名
【1987年6月6日】
老人ホーム火災(東京都東村山市)/ 17名
【1990年3月18日】
長崎屋火災(兵庫県尼崎市)/ 15名
【2001年9月1日】
歌舞伎町ビル火災(東京都新宿区)/ 44名
【2008年10月1日】
個室ビデオ店放火事件(大阪市浪速区)/ 16名
【2009年3月20日】
老人ホーム火災(群馬県渋川市)/ 10名
火災の原因ベスト3

消防庁の発表によると、ここ数年の火災の原因は、以下の順になっております。
1位 : 放火
2位 : コンロ
3位 : たばこ
放火の対策
1位の放火を防ぐには、家の周りに燃えやすいゴミなどを置いたり暗がりを作ることを避けて、常に放火犯に狙われないようにすることが大切です。
放火犯に狙われないためにも、以下のことを心掛けましょう。

- 家の周囲にダンボール、雑誌、新聞紙など燃えやすい物を置かない。
- ゴミを出すときは、夜間に出さず決められた日の朝に出す。
- 門扉や物置、ガレージなどは施錠して、放火犯が入れないようにする。
- 車やバイクのボディカバーは不燃性の物を選ぶ。
- 不審者の進入を防ぐため、家の周囲や駐車場に、センサーライトなどの照明設備を設置する。
- 近隣とのコミュニケーションを欠かさない。
- 荷台に燃えやすい物を放置しない。
- 車は施錠する。
コンロ周りの火災対策
2位のコンロは、料理のときに鍋やフライパンなどを火にかけたまま、ちょっと目を離したときに発生しています。わずかな時間でも火を切るように心掛けましょう。
コンロ周りで火災を発生させないために、以下のことを心掛けましょう。

- コンロを離れるときは、火が消えていることを確認する。
- てんぷら油を使用しているときは、特に細心の注意を払う。
- コンロの周りに燃えやすい物を置かない。
- コンロやてんぷら鍋に近づきすぎない。
- ガスホースなどはこまめに点検し、破損を発見したらすぐに交換する。
- エプロンや割烹着は、防炎品を使う。
タバコ火災の対策
3位のタバコは、寝タバコや火の消し忘れが大きな原因となっています。消したつもりでも、完全に消えていないことがよくあります。灰皿の近くに燃えやすい物がないようにするなど、細心の注意を払いましょう。
タバコが原因の火災を発生させないために、以下のことを心掛けましょう。

- 寝タバコは絶対しない。
- 灰皿には水を入れておく。
- 灰皿にある吸殻はこまめに捨てる。
- 消火していることを必ず確認する。
- タバコの投げ捨てをしない。
その他の対策
その他の防火対策のポイントは以下の通りです。
また、火災が発生してしまった場合のことも想定し、安全に対処や避難することができるような対策もとるようにしましょう。
防火対策
- 壁材やカーテンなどの内装材は、不燃性や難燃性の物を使う。
- 各階に1本ずつ消火器を置く。
- ご近所の火災警報器の音にも注意を払う。
対処・避難対策
- 避難経路を確認し、整理整頓をしておく。
- 高齢者や身体が不自由な人の避難方法や避難の際の役割分担を家族内で決めておく。
- 地域で開催される防災訓練に参加する。
119番のかけ方

火事が発生して119番へ連絡する際は、落ち着いて、ゆっくりと、簡潔に、そして正確に次のことを伝えましょう。
【1】 災害の種別
「火事です。」
【2】 場所
「○○市○○町○丁目です。」
【3】 目印になる建物
「○○病院のすぐ西側です。」
【4】 状況
「○○アパートの2階から火が出ています。子供がひとり取り残されているみたいです。」
【5】 自分の名前・電話番号
「名前は○○ ○○です。 電話番号は000-0000-0000です。」
避難の方法

火事で一番怖いのは、「炎」ではなく「煙」です。火事の犠牲者の多くは、煙の吸引が原因で亡くなっています。
火災現場から避難する場合は、煙を吸い込んで中毒を起こしたり火傷を負わないように、煙から身を守りましょう。
煙の性質
煙は熱にあたためられるため空気より軽く、上に昇る性質があります。煙が上昇する速さは3~5m/秒、横へ広がる速さは0.3m~0.8m/秒と言われています。
避難の方法
火災現場から避難する場合は、次のことに注意して落ち着いて行動するようにしましょう。
避難姿勢

室内での煙の動きは、まず天井まで昇ったあと、横に広がり、煙の量が増えるにしたがって次第に床へ降りてきます。
そのため、避難する場合は、煙を吸い込まないようにハンカチなどで口を覆い、身を低くかがめて、新鮮な空気を吸うようにしましょう。
避難経路

ビルや学校などでは、決して上層階へ昇ってはいけません。
煙の上昇速度からは逃げられませんので、火の元が下層階で危険な場合を除いて、可能な限り下層階へ避難するようにしましょう。
避難経路は日頃から確認しておき、いざというときに「どうやって避難したらいいか分からない」、「荷物が邪魔で避難ができない」、「防火扉が閉まらない」ということがないようにしましょう。
絶対にしてはいけないこと

避難する場合は、次のことを絶対にしてはいけません。
◆ エレベーターを使用して避難する。
◆ 避難したあとに火事場へ戻る。
◆ 走る。しゃべる。
(煙を深く吸い込んでしまいます。)
火災の現象

火災では、「バックドラフト」や「フラッシュオーバー」という現象により、火事の被害が一気に拡大することがあります。それぞれどのような現象か覚えておくとよいでしょう。
バックドラフト
気密性の高い室内空間の火災で、燃焼により酸素が欠乏して一旦鎮火した状態になってから、ドアを開けたり、窓を割ったりすることにより大量の酸素が流れ込み、爆発を引き起こす現象のことを言います。
最近の建築物は気密性が高くなり、バックドラフトが発生しやすくなっていますので、火災が発生している部屋の扉や窓は不用意に開けないように気を付けましょう。
フラッシュオーバー
火災により、燃焼物から可燃性ガスが発生し、それに引火することによって短時間で一気に燃え広がる現象のことを言います。出火からフラッシュオーバーまでの時間は、出火後5分から15分くらいと言われています。
炎が小さいからと安心せず、すばやく消火(※)し、消火ができなければあとは消防隊に任せて避難するようにしましょう。
※消火(初期消火)は天井へ燃え移るまでとし、出火から約2分30秒前後を目安として下さい。
火災報知器の設置の義務化をご存知ですか?

この度、住宅用火災警報機の設置が義務化されました。これは、火災による死亡原因で「逃げ遅れ」が7割を占めており、建物火災による死者の内、住宅火災での死者が9割以上を占めることなどを背景に義務化されました。
新築住宅では平成18年6月1日より始められ、既存住宅では、各市区町村条例により平成20年6月1日から平成23年6月1日の間で設置義務化の完了期日が定められることとなっています。
悪質な訪問販売にご注意を!

一般住宅用の火災報知器の義務化に伴って、これに便乗した悪質な訪問販売の被害が発生しています。
「○○消防署から来ました」「消防署の下請けの○○です」などと名乗り、市場価格よりはるかに高額な価格で売りつけるなど、悪質な手口で迫ってきます。
消防職員が火災報知器を販売することは絶対にありませんので、十分気をつけましょう。
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